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【海外】EUでも使い捨てプラスチック禁止!規制の方針を解説します。

2019/07/17
 
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海外に在住15年目、現在はドイツに在住の趣味ライターです。 ドイツ語はC1レベル。ラテン系の言語も少しわかります。英語の方がやっぱり得意ですが、英語はネイティブではありません。

Hi, I'm a native Japanese writer living currently in Germany. I do writing for a hobby, sometimes in English and sometime in Japanese depending on topics. I am also learning German, too.

使い捨てプラスチック、および酸化型生分解性プラスチックを禁止する方向で、EUの議会が動いています。

2019年、これらの動きを受けて、ドイツを含め、海外でも様々な反応が見られるようになりました。

使い捨てプラスチックは、EU各国に先駆けて、すでにフランスで禁止の施策がとられています。

ここでは、規制政策の具体的な内容と計画を、わかりやすく解説します。

規制の根拠

使い捨てプラスチックゴミ袋 カメのエサであるクラゲと疑似
使い捨てプラスチックゴミ袋 カメのエサであるクラゲと疑似

EP research のレポートによると、ヨーロッパの海岸に散在するゴミのうち、80-85 %がプラスチック製ゴミです。

これらのゴミが、海の生態系を脅かしています。

世界中で、死んで海岸に打ち上げられたカメ、クジラ、魚などの内臓から、大量のプラスチック製のゴミが発見されるケースが報告されています。

さらに、

これらのゴミによる経済的ダメージは、年間 あたり約 303億円から840億円(€259 million to €695 million)と推計されています。

すなわち、海洋生物が被害を受けているだけでなく、大量のプラスチックゴミが理由で、

我々人間も大きな被害を受けている、

とEUは結論しているのです。

方針

今回可決された法案のポイントは、次の3点です。

2021年までに、プラスチック製の使い捨て「食器類」「綿棒」「ストロー」「スターラー」の全面禁止

2029年までに、プラスチック製ペットボトルの回収率を90%に上げる

プラスチック汚染の生産者がコストを払う方針をとる

以下では、これらの点について、詳しくみてみます。

2021年までにEUで使用が禁止されるもの

2021年までに、以下のプラスチック製品がEUで使用禁止となります。

  • 使い捨ての食器類(フォーク、ナイフ、スプーン、はし)
  • 使い捨ての皿
  • ストロー
  • 綿棒
  • 風船を持つためのスティック
  • 酸化型生分解性プラスチックとその食器類、および、ポリスチレン製のコップ

このリストのうち、最初の5つは、使い捨てのものになります。6つ目の酸化型生分解性プラスチック製のものは、1回限りの使い捨てでなくても、使用が禁止になります。

酸化型生分解性プラスチック

EU使い捨てプラスチック規制:酸化型生分解性プラスチック
EU使い捨てプラスチック規制:酸化型生分解性プラスチック

これまで、酸化型生分解性プラスチックは、環境で分解できるプラスチックとして使用が促進されてきました。

そのため、現在でもビニール袋やプラスチック製の袋類、その他の容器で広く使われています。

しかし、最近の研究により、実際には分解が十分進まず、マイクロプラスチックとして環境に長期間残留し続け、マイクロプラスチック汚染の原因となることがわかっています。

酸化型生分解性プラスチックは、非常に細かくまで砕けるプラスチックの種類で、マイクロプラスチック汚染の原因となります。

そのため、本当の意味での生分解性プラスチックへの移行が必要となります。

2021年からは、酸化型生分解性プラスチック製の食器類は、およびポリエチレン製のコップは、使い捨てでなくても禁止となります。

ペットボトル

ペットボトルについては、

  • 2029年までに、90%の回収率
  • 2025年までに、25%のリサイクル率
  • 2030年までに、30%のリサイクル率

を達成します。

生産者側の規制

生産者側への規制として、

生産者がゴミの回収費用を負担する仕組みを作る

と言われています。

この点、現段階ではあまり具体的ではありませんが、次の2点が述べられています。

  • タバコのフィルターはプラスチック製である。そのため、タバコの製造業者は、投げ捨てられたタバコのゴミの、回収費用を負担する。
  • 漁業網や釣り道具の多くもプラスチック製である。これらのゴミの回収費は、漁業者が負担するのではなく、釣り具の生産者が負担する。

宣伝ラベル

さらに、宣伝/啓蒙のためのラベルが、生産者側に義務付けられます。

  • タバコの箱に、タバコの投げ捨てが、環境破壊になることを伝えるラベルをつける
  • プラスチック製のコップやナプキンなどに、これらの投げ捨てが環境破壊になることを伝えるラベルをつける

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経済効果

これらの施策により、2030年までには、2兆円以上(€22 billion) の経済効果があるとEUでは推計されています。

まとめ

以上が、EU議会からの報道を詳しく解説しました。

酸化型生分解性プラスチックの禁止は、多くのNGOによる運動が大きな影響を与えたようです。

これらの展開を受けて、

世界中で、代替プラスチック、および、ペットボトルリサイクル関連のビジネスが活発化しそうです。

今回の法案の可決は、世界に先駆けた、EUでの大きな第一歩として、高く評価したいとおもいます。

ただ、今回の法案では、マイクロプラスチックのもう一つの原因とされる、フリースやその他の合成繊維の規制については、進展がありませんでした。

今後の動向を期待したいと思います。

参考文献

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