【ベターコールソウル】キャスト、ボブ・オデンカークさんの経歴を紹介

ここでは、大ブレイクしたアメリカのドラマ、「ブレイキング・バッド」からのスピンオフ「ベター・コール・ソウル」の主人公ジミー・マッギル/ソウル・グットマン役の男優、ボブ・オデンカークさんの経歴を紹介します。

「ベター・コール・ソウル」のジミー役のボブ・オデンカークさんは、前作の大ヒットドラマ「ブレイキング・バッド」で一躍有名となります。

「ブレイキング・バッド」では、口数の多い三流弁護士、ソウル・グットマンとして登場します。

ドラマの製作者、ヴィンス・ギリガンとピーター・グールド、そしてボブ・オデンカークさん本人も、当初はソウル・グットマンはいつか殺されるだろうと思っていたそうです。

しかし、ボブ・オデンカークさんがつとめるソウル・グットマンが予想以上のパフォーマンスを示したことから、彼は殺されることなく、最後まで生き延びます。

そして、ドラマが進化するにつれ、ボブ・オデンカークさんがつとめるソウル・グットマンが、次作のスピンオフドラマの主役にまで発展するのです。

こんな経歴を持つボブ・オデンカークさんですが、それ以外の経歴はあまり知られていません。

とても独特な個性を持つ役者さんなので、彼の経歴を知ることで、ドラマの違った側面が見え、一層ドラマが楽しめるかもしれません。

共演者のキキム・ウェクスラー役をつとめるレイ・シーホーンさんについては、こちらで記事にしてます。

経歴

「ベター・コール・ソウル」の主人公ジミー・マッギル/ソウル・グットマン役、ボブ・オデンカークさん
役名ジェームズ・マッギル(通称:ジミー)
James McGill ”Jimmy”
ドラマ内での偽名ソウル・グッドマン
Saul Goodman
ジーン・タカヴィク
Gene Takavic
本名ロバート・ジョン・オデンカーク(通称:ボブ)
Robert John Odenkirk ”Bob”
生年月日1962年10月22日
出生地バーウィン(イリノイ州)アメリカ合衆国
国籍アメリカ合衆国
学歴南イリノイ大学カーボンデール校
職業俳優、コメディアン、監督、プロデューサー、ライター
芸能活動1987年〜
ナオミ・ヨントヴさん(1997年〜)
Naomi Yomtov
子供2人(息子、娘)
ビル・オデンカーク (Bill Odenkirk) 、コメディー作家
Walter Odenkirk、印刷業
Barbara Odenkirk

主な作品

ボブ・オデンカークさん 2013年 Comic-Conにて

1987–1991 サタデー・ナイト・ライブ (Saturday Night Live) ライター

1995–1998 ミスター・ショー(Mr. Show) 製作者

2009–2014 ブレイキング・バッド(ドラマ)俳優

2015  ウィズ・ボブ・アンド・デイビッド(コメディー)

2015〜 ベター・コール・ソール(ドラマ)俳優 

2017 ガールフレンズ・デイ(映画)俳優

出身

  • 1962年アメリカのイリノイ州バーウィンで生まれる。育ちは、イリノイ州ネイパービル。
  • 7人兄弟
  • 父は印刷業を営む。
  • 父のアルコール問題により、両親が離婚。これが原因で、ボブ・オデンカークさんはアルコールを飲まない。
  • 飛級により、ネイパービル北高校を16歳という若さで卒業。
  • その後、地元のデュペイジ大学 (College of DuPage) 、ウィスコンシン州のマルケッテ大学(Marquette University)、南イリノイ大学カーボンデール校へと進学。
  • これらのカレッジ内にある、ラジオ局でパフォーマーとして活動を始め、コメディーの執筆を開始。
  • 1984年大学卒業

初期の芸能活動

ボブ・オデンカークさんは、長いことコメディーの分野で、作家、パフォーマーとして活躍をしてきました。

特に、1980年代、1990年代は、「サタデー・ナイト・ライブ」、および、「ザ・スティーラー・ショウ」での活躍が評価され、エミー賞を2度獲得しています。

その後、「レイト・ナイト・ウィズ・コナン・オブライエン (Late Night with Conan O’Brien)」、さらに「ゲット・ア・ライフ (Get a Life) でライターとして、「ザ・ラリー・サンダーズ・ショウ」では、俳優として活躍します。

中期の芸能活動

ボブ・オデンカークさん 2005年 ショーのチケットとともに

2000年代に入ると、ボブ・オデンカークさんは、ディレクターとして活躍します。ティムとエリック (Tim & Eric) というコンビを生み出し、このキャラクターをもとに、合計で5つのプロジェクトを監督します。

ブレイキング・バッド

2009年から2014年にかけて、ボブ・オデンカークさんは、大ヒットドラマ「ブレイキング・バッド」の堕落した弁護士、ソウル・グッドマンの役をつとめます。

ソウル・グッドマンが生まれる経緯

ボブ・オデンカークさん演じる、ソウル・グッドマン

「ブレイキング・バッド」のシーズン2に入ると、主人公であるウォルトとジェシーが犯罪に深くハマっていき、ドラマの製作者は、この2人をガイドする助言者ような存在が必要だと考えます。

ドラマの中では、バッジャーなど、あまり賢いとは言えないジェシーの友人達が売人をしています。仮に、

「もし、彼らが問題を起こしたら、どんなタイプの弁護士と関わるようになるだろう?」

という問いかけから、弁護士ソウル・グッドマンのアイディアが湧いてきます。

名前も、「大丈夫、なんとかなる」と意味する “[It]’s all good, man” と掛け合わせ、コマーシャルのうような、誰でも覚えやすい方が良さそうです。

同時に、ドラマでは、心理的に非常に重いシーンが出てくるようになったため、この重圧さとバランスを取るために、むしろコミカルなキャラクターとして弁護士のソウル・グッドマンが具体化していきます。

製作者ピーター・グールドさんの奥さんである、ノラ (Nora) さんや、その他スタッフの周りの多くの人々は、ボブ・オデンカークさんがプロデュースする「ミスター・ショー」などのファンだそうで、彼らの間から、弁護士役としてボブ・オデンカークさんが適任だというアイディアが出されます。

シーズン2

このような経緯から、ボブ・オデンカークさんは、「ブレイキング・バッド」のシーズン2で、弁護士のソウル・グッドマン役として抜擢されます。

シーズン2では、3つのシーンに出演されますがこれはゲスト出演でした。どれもとても印象に残るシーンとなります。

確かに、とても重い雰囲気になりつつあったドラマの中で、弁護士のソウル・グッドマンが出てくるシーンだけは、雰囲気が軽く、バッジャーのケースを別の案件と間違えるなど、少し笑えるドラマへとも変化します。

この実験が功を奏して、シーズン3から、ボブ・オデンカークさんはレギュラーとしての地位を確定します。

人柄と家族

ボブ・オデンカークさん 2013年 Comic-Conにて

オーディションではなく、製作陣からリクルーティングされたため、キャスティング当時は、ドラマを見ておらず、そもそも「ブレイキング・バッド」というドラマの存在を知りませんでした。

なぜでしょう?

それは、ボブ・オデンカークさんの人柄と、ご家族が理由のようです。

あるインタビューで、ボブ・オデンカークさんは

「子供が2人いるので、そもそも家に帰ったら犯罪ドラマはあまり見ない」

とコメントされています。

また、アメリカのトークショー「ザ・エレン・ショー」へ2016年に出演した際、ボブ・オデンカークさんは

「昔はよくバスケットボールを観に行ったけど、子供が生まれてからできなくなった」

ともコメントされています。

最近は、お子さんたちもティーンネイジャーで大きくなり、「ブレイキング・バッド」や「ベター・コール・ソウル」のような大人向けのドラマも見るそうです。

お子さんたちは、ボブ・オデンカークさんの本業のコメディーショーにはほとんど興味がないようですが、「ブレイキング・バッド」はお気に入りのドラマだそうです。

そして、ある日息子さんは、

「お父さん、僕の好きな番組に出てる。。。。」

と、あまり嬉しくなさそうにつぶやいたそうです。

こんな会話からも垣間見れますが、年頃のお子さんとのやりとりでは、対等に会話をされています。

お子さんが小さかった頃は、ご家庭では子煩悩なお父さんだったようです。

ご家庭では家事をしたり、厳格なお父さんというよりもむしろ、とても親しみやすい人柄だと分かります。

ボブ・オデンカークさん自身のご両親が、アルコール問題で離婚していることから、自分ではアルコールが嫌いで、勧められても極力避けるそうです。

印刷業を営むご自身のお父様は、あまり家におらず遠い存在だったそうです。

そんな寂しい子供時代を過ごしたボブ・オデンカークさんは、ご自身の家族をとても大切にされ、家庭で多くの時間を過ごすようにしているようです。

ベター・コール・ソウル

「ブレイキング・バッド」が大ヒットし、そのスピンオフ・ドラマ「ベター・コール・ソウル」も多くのファンから支持されるドラマとなります。

このドラマにおいて、ボブ・オデンカークさんは俳優としてだけではなく、プロデューサーとしても名を連ねていますので、製作面で大きな影響を与えています。

ドラマの前半では、ソウル・グッドマンとは仮名で、本名はジェームズ・マッギル、通称ジミー・マッギルであることが分かります。

そして、ジミーの人柄は、ソウル・グッドマンの人柄とかなり異なります。

ジミーは若気の至りで過去には刑務所に行ったりもしますが、本心はそこから立ち直り、真っ当な人生を送ろうと努力するします。それには、周りからみとめられる必要があります。両親を亡くしたジミーに残る唯一の家族が、兄のチャックです。

お兄さんは、その界隈では有名な有能なトップ弁護士で、ジミーはこのチャックから認めてもらうために絶え間ない努力をします。

しかしながら仕事運には向いておらず、金銭面で苦労します。

このドラマでは、ジミー・マッギルから、ソウル・グッドマンへとどのように変遷していくのかが描かれます。

ジミー・マッギル

ジミー・マッギルのスーツ

そんなジミーに対して、ボブ・オデンカークさんは、ジミーの人柄はとても好きだと言います。

ジミーなら、一緒に出かけたり、友達にしたいと。

一方で、ソウル・グッドマンの人柄は、好きになれないようです。「ザ・レイト・ショー」へ 2017年に出演した際、

「ソウル・グッドマンは自分とは対極」

な人物だとコメントしています。彼と友達になる可能性があるかと聞かれたら、

「絶対にあり得ない」

と答えています。彼の近くに寄ることは絶対にないそうです。

そして、ソウル・グッドマンが痛い目にあったり、苦しむのを見たいと製作陣に伝えたそうです。

ボブ・オデンカークさんの人柄から、ジミーに対しては色々と共感できるようです。

ドラマとコメディーの違い

ボブ・オデンカークさんは、コメディーでは長い経歴がありますが、ドラマ俳優としては、「ブレイキング・バッド」が初めてです。

そのため、最初のうちは、ドラマの世界とコメディーの世界の違いに少し戸惑ったそうです。

コメディーの世界では、仲間たちとアイディアを互いに出し合って、練習を繰り返して作り上げていくため、ショーが出来上がったときには、観衆からどのような反応が返ってくるか大体の予測ができるそうです。

逆に、ドラマの世界では、まずは自分でキャラクターやシーンの背景を深く考えて、その上で演技します。さらに、ボブ・オデンカークさんはシーズン途中からドラマのこともあまりよく知らないまま参加したため、迷いながら混乱の連続だったそうです。

また、有名なエピソードが、ボブ・オデンカークさんがコメディーのノリで、シーンを撮影しているときに、同僚へ演技の仕方やセリフについてアドバイスしようとしたところ、

「2度とするな」

と言われたそうです。ハリウッドでは役者同士がお互いに相手の演じ方へ介入することはタブーのようです。

現在、彼にとっては、ドラマ俳優はコメディアンよりも難しい職業だと感じているそうですが、今後も俳優としての職業を真剣に考えているそうです。

コメディー

ボブ・オデンカークさんがプロデュースする『ウィズ・ボブ・アンド・デイビッド』(コメディー)

2015年から、ボブ・オデンカークさんが友人のデイビッド・クロスさんとプロデュースしているコメディーショー W/ Bob & David が、現在ネットフリックスで見ることができます。

こちらのコメディーショーでは、ボブ・オデンカークさんの本業のコメディーを見ることができます。

番組では、たまに彼らが出演しているドラマや映画のこともジョークとして会話に出てきたりします。

参考資料

「エレンの部屋」ボブ・オデンカークさんインタビュー

ウィキペディア